アミロイドのPET臨床に関するガイドライン
現在、国内では日本核医学会、日本神経学会、日本認知症学会が共同で、アミロイドのPET臨床においての利用に向けたガイドラインを検討中であり、今年度中にも発表される予定となっている。
ガイドライン作成委員の委員長を務める石井賢二氏(東京都健康長寿医療センター研究所神経画像研究チーム研究部長)は、「アミロイドPETの適切な検査対象としては、ほぼ米国のガイドラインと同じになるだろう」と述べている。
現時点で認知障害があり、若年性のアルツハイマー型認知症が疑われている患者で老人斑が陰性であれば、認知障害を引き起こしている別の原因を探したり、治療方針を変更することになる。非定型的な症状を示している患者に老人斑が認められれば、アルツハイマー型認知症だと診断することができる。
(Wikiメディアより引用)
どのように検査を行っていくべきか
しかし老人斑が陽性となり、数年以内にアルツハイマー型認知症に進行する可能性が高いと予測ができても、現在は予防法や根治療法がない。「ガイドラインでは検査に際して、どのような場合に積極的に検査を実施すべきかなどを示す考えである」と石井氏は述べている。
まず、承認申請されているのは医療機関内で診断薬を合成する装置である。なお検査を実施できるのは、サイクロトロンなどの設備を持っている医療機関だけである。さらに実施施設に関して一定の基準を設けている、認知症専門医による診療がなされているなども前提とする。
今後アミロイドPETは、抗Aβ療法の開発に生かされていく。これまで、有効性が証明された抗Aβ療法はまだないのだが、将来的に老人斑のある患者だけ治験を実施すれば、抗Aβ療法の有効性を証明することができる可能性が高い。そのためアミロイドPETは診断以外にも、抗Aβ療法の治験や治療対象の選定にも使われる可能性がある。(福田絵美子)
▼外部リンク
アミロイドイメージングを用いたアルツハイマー病の発症・進展 予測法の実用化に関する多施設大規模臨床研究
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/