全国健康保険協会(協会けんぽ)は、9日に発表した2012年度の決算見込みで、GE薬の使用促進により、2009~12年度までの4年間で医療費削減額が推計で約163億円に上ったことを明らかにした。
協会けんぽでは、糖尿病や高血圧などの慢性疾患患者で先発品を服用し続けている被保険者を対象に、GE薬に切り替えた場合の自己負担額の差額を知らせる「差額通知」を送付する取り組みを行っている。
こうした取り組みにより、差額通知を受け取った4人に1人がGE薬に切り替え、医療費の削減額が累計で約163億円となった。
また、医療機関から誤った保険請求が行われていないかどうかを調べるレセプト点検により、12年度は約309億円の削減効果があったほか、加入者の家族が扶養家族の要件を満たしているかどうかを定期的に確認する「扶養家族の再確認業務」により、12年度は約35億円を削減した。
12年度決算は、医療費の増加幅が例年より小幅で、保険給付費が12年度保険料率の設定時の見込みよりも減ったこと、保険料率を9・5%から10%に引き上げたことなどから、単年度収支は3104億円の黒字となる見込み。