マドリッドの79の学校に通っている、高校生(平均16歳)3622人を対象にしました。生徒へのアンケートを元に、本人の学業成績、両親の学歴や、親が喫煙を容認しているかどうか、また私立校と公立校の違いなどを分析しました。
学業成績の良い生徒の喫煙率は、学業成績の低い学生と比べてわずか3割前後と報告されました。なぜ、成績が良い生徒の喫煙率が低いかは不明ですが、学業と生徒の喫煙には、何らかの関連があることは明らかになりました。
ティーンエイジャーは、周りの影響を受けやすいので、学校環境と同家庭環境が重要だとしています。同じ調査チームが以前に行った研究は、マドリッドの203の学校に通っている、高校生(平均16歳)9127人を対象にしました。生徒へのアンケートの他、100人の校長先生にも情報提供を依頼しています。
家庭環境と喫煙の関係では、喫煙学生の同居家族には、喫煙者がいる場合が多いそうです。また、親が煙草を吸うことを認めないとしている生徒たちの間では、喫煙容認の親がいる家庭の子どもたちと比べて明らかに喫煙率が下がっていました。
一方、学校での取り組みについては、学校単位での取り組みが熱心な場合、生徒の喫煙率が下がるという結果が出ました。登下校時のチェック、放課後の見回りなどの他、生徒を対象に喫煙の害についての講習を行ったりしている場合も、効果が見られました。
一度吸い始めてしまうと、禁煙することには努力を要する人が多いものです。子どもたちが、将来「禁煙」しなくて良いように、タバコに手を出さないような環境を整えてあげたいものです。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Effect of a Smoking Ban and School-Based Prevention and Control Policies on Adolescent Smoking in Spain
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs11121-012-0283-4
Individual and Contextual Factors Associated to Smoking on School Premises
http://ntr.oxfordjournals.org/content/14/4/495