オリンパスが増資
オリンパスが公募増資と自社株の売却をすることによって、1,000億円規模の資金を調達するということを決定した。増資する理由としては、粉飾決算事件による損失で目減りしていた自己資本を増強し、医療事業の研究開発や設備などの投資を行ない、成長回帰を目指していく。現在は株式相場が回復しつつあるため、今後は攻めの戦略を行なっていく。そのためにも大型の増資を行なっていくのである。
オリンパスは海外市場において、約1,000億円の公募増資や自社株の売却を行ない、最終的には1,1181億円を調達するという計画について発表をした。資本増強によって16%の自己資本比率を25%まで上げていくことになる。
現時点ではオリンパスの株を保有しているのは、34%が外国人である。「医療機器のシェアや利益率の高さを評価する投資家が海外には多いため、資金調達を行うことにした」と述べている。
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成長投資を増加
昨年からの流れである円高修正や株が上昇し続けているということから、国内企業は成長のための資金を調達しやすくなっている。日経平均株価は今年に入って急上昇しており、オリンパスの株価も2011年秋の水準をかなり上回っている。現在の株価の回復を受けて大型増資を行うことによって、成長投資を増額することが狙いである。
オリンパスは11年に損失額が発覚してから、今年の秋で2年になる。この間に経営陣を入れ替えたり、またソニーと資本・業務提携を行なっていくなど経営基盤の立て直しを行なってきた。
とくにソニーとは外科用内視鏡の開発において協業を行なっている。そのため増資によってソニーの出資比率は下がってしまうのだが、引き続き筆頭株主としての役割はある。そのためソニーとしてはオリンパスを支配するのではなく、出資会社としての成長を重視しているという立場をとっている。(福田絵美子)
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