この日の会合では、薬学会の専門委員会がまとめた薬学教育モデル・コアカリキュラム中間まとめについて、大学をはじめ、「新薬剤師養成問題懇談会」の参加団体、日本製薬工業協会などに行ったアンケート調査の結果をめぐり議論した。
現行のコアカリは、内容の過密さが指摘されていたため、新コアカリから内容をスリム化する方向で一致していたが、中間取りまとめに対するアンケートでは、各領域の専門家から「この領域は削らないでほしい」などといった意見が寄せられ、総論賛成、各論反対の状態になっていた。実際、「分量が減っていない」などの意見もあったという。
このほか、SBOやGIOが簡単に書いてある分野と、詳細に事細かく書いてある分野があるなど、「統一した視点で見られていないのでは」などの意見が中間まとめに対して寄せられたという。
コアカリの分量をめぐっては、委員から、「アンケートを行えば、足りないという意見が出てくるのは当然のことだと思われる。仮に増やすのであれば、どこかを削る必要がある」との意見が出た。
ただ、複数の委員が、「アンケートの意見は妥当なものが多かった」との考えを示していることを踏まえ、全体のボリュームが増えすぎないように配慮しつつ、必要なものは取り入れていくべきとの考えが示された。
薬学会では、アンケートの意見やこの日の委員会での議論を踏まえ、コアカリ中間まとめに修正を加える。
また、この日の委員会では、新コアカリに則した実務実習を円滑に行うための検討の場を設けることを確認した。
新コアカリでは、現行のコアカリで▽D1:実務実習事前学習▽D2:病院実習▽D3:薬局実習――に分かれている項目を、「F」(薬学臨床教育)に集約するなどの大幅な変更を加えているほか、現在の実務実習では、指導薬剤師、実習施設によって学生が学べる内容が異なってしまうなどの課題があり、新組織で検討する。