脳を若々しく保つには頭の体操が効果的
頭の運動は、脳の若さを保つのに必要だとこれまでもいわれてきました。
今回、科学誌Neurologyに発表された研究結果で、本を読む、書きものをするなど、頭を使っている人は、本当に記憶力が高いことが報告されました。
対象となったのは、294名。調査開始の時から亡くなるまで、毎年一回、過去6年間を振り返るというものです。参加者は平均89歳で亡くなっています。また、読書や書き物など頭を使う活動について、子どもの頃、青年期、中年期、老年期でそれぞれ行っていたかどうかを質問しました。
また、参加者が亡くなった後、調査チームでは、解剖を行い脳の記憶を司る部分の状態を確認しました。
頭を使わない人は記憶力が落ちやすい
その結果、読書や書き物で脳を使う活動を、子どもの頃から行っている人では、そうでない人に比べて、記憶力の低下の割合が15%低くなることが分かりました。また、年をとってから脳を積極的に使っている人では、記憶力の低下の割合が32%低くなりました。逆に、全く頭を使う機会がなく過ごしている人では、記憶力の低下の割合が48%も早くなってしまうそうです。
頭を使うことは、脳の老化の防止に役立つとは良く言われていますが、今回、調査参加した方たちが、解剖にも協力してくださったことで科学的な裏付けを得られることになりました。年を取っても、若々しい脳を保てるように、常に頭を使うよう心がけたいですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Life-span cognitive activity, neuropathologic burden, and cognitive aging
http://www.neurology.org/content/early/2013/07/03/