マウスによる実験で明らかに
広島大学は7月3日、奥歯の喪失がアルツハイマー病の悪化の原因となることを突き止めたと発表した。
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実験は遺伝子操作によってアルツハイマー病を発症させたマウス17匹を用いて行われた。暗い部屋に入ると電気ショックが与えられることを覚えさせて10匹については左右の奥歯6本を抜いたところ、4ヵ月後、歯を抜かなかったマウスは7匹すべてが暗い部屋に入らなかったのに対し、歯を抜いたマウスは10匹のうち6匹が暗い部屋に入った。
噛むことが影響か
これまでアルツハイマー病の症状が進む原因としては、脳内に異常なたんぱく質が蓄積することがわかっている。しかし実験では原因となる異常なたんぱく質が蓄積した面積に差は見られなかった。
歯を抜いたマウスのほうが記憶をつかさどる脳の海馬の細胞の数は少なくなっていた。噛むことによって脳へ与えられる刺激や脳内の血流量が減少したことが影響しているのではないかと考えられている。
歯の喪失(臼歯の咬み合わせの喪失)がアルツハイマー病を悪化させることを、アルツハイマー病モデルマウスを用いて、学習・機能面と神経病理学側面から証明したのは世界で初めてです。今後の波及効果として、歯の喪失を防げば、認知症の発症予防や進行抑制につながることが期待されます。(広島大学 発表記事より引用)
(小林 周)
▼外部リンク
広島大学 発表記事
http://www.hiroshima-u.ac.jp/news/show/id/17438/dir_id/0