ドーパミンとは、ホルモンの一種で、交感神経節後線維や副腎髄質に含まれます。嬉しいことや心地よいことなど「快」に関係があるとされています。ドーパミンというと脳で出されるものが第一に考えられることが多いものですが、実は目の網膜にもドーパミンが分泌されるのです。そして、網膜のドーパミンは、比較的単純な検査で確認することが出来ます。
先日発表された調査は、チョコレートやブラウニーとドーパミンの関係を探った、おいしそうなものです。この調査によると、チョコレートやブラウニーを口に入れて「おいしい!」と感じると、網膜のドーパミンの分泌が盛んになるそうです。
試しに、水を飲んで同じように網膜のドーパミンを調べると、チョコレートやブラウニーで見られたような分泌は見られませんでした。網膜のドーパミンは、光が目に入ったときも分泌されるのですが、こちらも、おいしいものを口にしたときの反応よりも穏やかなものです。
このことから、食べ物が口に入ったことではなく、「おいしい」と感じることがドーパミンを出す鍵になっていることが分かったのです。
今回の調査はわずか9人を対象にしたものですが、今後もっと大がかりな追跡を行うことで、特に肥満の治療などに活かすことができるのではないかとされます。例えば、カロリーや栄養バランスだけではなく、本当に「おいしい」ダイエットフードの開発などに活用出来るのです。
彩りもきれいなスイーツは、目にもおいしいと思っていましたが、本当に目が反応していたとはちょっと驚きの調査結果ですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Electroretinographic detection of human brain dopamine response to oral food stimulation
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/oby.20101/