日本高血圧学会は2日、都内で記者会見し、千葉大学が中心に実施したバルサルタンの医師主導臨床研究「VART」について、第三者委員会でデータ検証を行った結果、「不正なデータ操作はなかった」とする中間報告を発表した。同委員会は今後、千葉大と協力し、さらにカルテと照合するなど詳細な生データ解析を実施する方針だ。
バルサルタンの医師主導臨床研究をめぐっては、京都府立医大の事例で、ノバルティスファーマの社員がデータ解析に関わっていたことが判明している。今回、疑義が持たれているVART試験は、降圧剤のバルサルタンとアムロジピンで心血管イベントの減少を比較検討した大規模臨床研究。千葉大を中心に実施され、主要評価項目の脳卒中や急性心筋梗塞等の発症と死亡数について、バルサルタン群とアムロジピン群で差はなかった。