MPOWERを知っていますか?WHO(世界保健機構)のタバコによる健康の害を防ぐための6つの具体的な方法です。
現在、喫煙と関わりのある死亡は年間600万人です。何の取り組みも行わないと、2030年にはこの数は年間800万人まで膨れあがると言われています。
そこで制定されたのが、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(WHO Framework Convention on Tobacco Control:略称WHO FCTC)。今年で制定10年、日本で批准されてから9年が経ちます。
MPOWERはこの条約に基づき、タバコの害を減らすための実質的な方策として位置づけられています。
Monitor tobacco use and prevention policies
喫煙と禁煙に関する法律や決まり
Protect people from tobacco smoke
タバコの害から人々を守る
Offer help to quit tobacco use
禁煙へのサポート
Warn about the dangers of tobacco
タバコの害を警告
Enforce bans on tobacco advertising, promotion and sponsorship
タバコの宣伝の制限
Raise taxes on tobacco
タバコに関する税金の引き上げ
の頭文字を取ったものです。
今回報告された調査では、FCTC批准国39国とその他の2ヶ国、合計41ヶ国を対象にしています。人口で言えば、約1兆人、世界の人口の7分の1。このうち、喫煙者は2900万人でした。
41ヶ国のうちMPOWERの6項目を実行していた国は33ヶ国で、他の8ヶ国ではいずれか一つ以上の項目を実行していました。タバコについて厳しい取り締まりを行ったり、税金を引き上げたりといった、積極的な取り組みを行っていた国では、喫煙者の数が大きく減少していました。
また、母親の喫煙が原因となる流・早産、死産で命を落とす赤ちゃんも減少しているとのことです。
タバコへの取り組みは、日本でも目に見える形で行われています。MPOWERには、禁煙のサポートも含まれます。タバコを止めたいけど止められない人も、世界的な取り組みにあやかって、禁煙に向けて背中を押してもらってはいかがでしょうか。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
WHO ; Smoking-related deaths averted due to three years of policy progress
http://www.who.int/bulletin/volumes/91/7/12-113878/