医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 肥満者の肝がん発症のメカニズムに究明

肥満者の肝がん発症のメカニズムに究明

読了時間:約 53秒
2013年07月01日 PM02:13

肝がん発症は腸内細菌の変化による

がん研究所は6月27日、肥満の人の肝がん発症は腸内細菌の変化によって促進されていることを突き止めたと発表した。この研究成果は独立行政法人科学技術振興機構によって実施されている戦略的創造研究推進事業の一環として得られたもので、イギリスの科学雑誌「Nature」オンライン版に掲載されている。

(この画像はイメージです。)

この研究によって明らかになったポイントは以下の通り。

・肥満になると脂質の消化吸収を助ける1次胆汁酸を2次胆汁酸へ変換する腸内細菌が増加することを、マウスを用いた実験により明らかにしました。
・2次胆汁酸の影響で細胞老化を起こした肝星細胞が炎症性サイトカインを分泌することで周囲の肝細胞の発がんが促進されることを発見しました。
・同様のメカニズムがヒトの場合にも働いている可能性が見出されたことから、肥満に伴う肝がんの効果的な予防法開発への応用が期待されます。(がん研究所発表記事より引用)

今後の肝がん予防の一助に

肥満になると肝がんのみならず様々ながんを発症するリスクが高まるものの、そのメカニズムについて詳しいことは明らかでなかった。今回の研究によって肥満の人の肝がん発症のメカニズムの一端が明らかになったことで、今後の肝がん予防の一助になることが期待される。(小林 周)

▼外部リンク

がん研究所 発表記事
http://www.jfcr.or.jp/laboratory/news/2776.html

TimeLine: ,
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 低強度マルチタスク運動、女性高齢者の睡眠の質向上に有効-筑波大
  • 医師を尊重し相互理解を深める薬剤師のアサーティブネスが薬剤数削減に貢献-筑波大
  • 妊婦の血中セレン濃度と子の溶連菌感染症発症に関連あり、エコチル調査より-北大ほか
  • 目覚めの質、起床前20分間に自然光を浴びると向上-大阪公立大
  • 将来の要介護化リスク、体組成計による「筋肉の質」評価で予測可能-筑波大
  • あなたは医療関係者ですか?

    いいえはい