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アステラス製薬、乳がん患者対象のアンドロゲン受容体阻害剤の臨床試験開始

読了時間:約 1分14秒
2013年06月30日 PM12:13

米メディベーション社と共同開発

アステラス製薬株式会社(東京都中央区)は、米メディベーョン社と共同で開発を進めているエンザルタミド(開発コード:MDV3100)の乳がんを対象とした第III相臨床試験の患者組み入れを開始したと、6月27日発表した。

(画像はイメージです)メディベーション社がこの臨床試験を実施する。

トリプルネガティブ乳がん治療薬

前立腺がん治療薬として、アメリカでは既に販売され、先日欧州での承認を取得したエンザルタミド。今回の臨床試験では、アンドロゲン受容体陽性のトリプルネガティブ(エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2がいずれも陰性)の進行再発乳がん患者を対象としている。

米国、カナダ、及び欧州の施設での多施設共同オープン試験として実施される本試験は、約80人の患者の組み入れを計画、エンザルタミド単剤での有効性を評価する。

1日1回経口投与での効果を確認

主要評価項目は、160mg を1日1回経口投与した場合の臨床的有効性。完全奏効(complete response:CR)、部分奏効(partial response:PR)、または16週以上の安定(stable disease:SD)を示した患者の割合を評価する。

既存薬がないトリネガ乳がんに光

前立腺がんと同様に、ホルモンの影響が強い乳がんでは、女性ホルモン(エストロゲン)の取り込み阻害がホルモン療法の中心となる。同薬は男性ホルモンであるアンドロゲン受容体阻害剤であるが、男性ホルモンも乳がんの一因となっていると考えられている。

トリプルネガティブ乳がんには、既に承認されている有効な薬はなく、通常化学療法のみが行われている。トリプルネガティブの乳がん患者のうち、エンザルタミドが有効と考えられるアンドロゲン受容体陽性は約30%。同社は、これまでにはない乳がん治療への選択肢を提供できるとしている。(長澤 直)

▼外部リンク

アステラス製薬プレスリリース
http://www.astellas.com/jp/corporate/news/

 

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