メタンフェタミン依存の臨床試験は第2相へ
メディシノバはメタンフェタミン依存症を適応とするMN-166(イブジラスト)の第1相臨床試験で有効性と安全性を確認、第2相を9月までに開始すると発表した。
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認識能力試験でMN-166投与群とプラセボ投与群を比較した結果、注意力維持に明らかな改善が認められた。またメタンフェタミン投与下でMN-166を並行投与した試験では心血管への安全性が確認され重度の副作用はみられなかった。
MN-166は喘息や脳梗塞発作後の症状の治療薬として日本、韓国で20年以上使用されている。同社は再発寛解型多発性硬化症を適応とする治療薬の候補としてMN-166をキョーリン製薬からライセンス導入後、オピオイドおよびメタンフェタミン依存、神経因性疼痛への治療薬としての使用法を確立した。
深刻なメタンフェタミン依存の広がり
メタンフェタミンはアンフェタミンと密接に関係する中毒性のある覚せい剤で、効果が長く、中枢神経系のドーパミン作用性神経終末に有害となる。覚醒が高まり身体活動が活発になるが、心拍数、血圧、体温が上昇、長期間服用では記憶障害、凶暴な行動、心臓障害、栄養不良、歯科疾患を招くリスクがある。米国ではメタンフェタミン使用者は439,000人(2011年調査)、経済的負担は234億米ドル(2005年)ともいわれるが、FDAが承認したメタンフェタミン依存症治療薬はない。
なお、オピオイド依存症適応についてはヘロイン依存症患者を対象に臨床試験を実施中、進行型多発性硬化症適応については臨床試験第2相の計画段階にある。(馬野鈴草)
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メディシノバプレスリリース
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