厚生科学審議会の予防接種基本方針部会は24日、定期接種化された7価小児用肺炎球菌ワクチンを、6種類の血清型を追加した13価ワクチンに切り替えることを了承した。
より広範囲な肺炎球菌による感染症を予防できるようになるが、13価ワクチンの定期接種化については結論を次回以降に持ち越した。
小児用肺炎球菌ワクチンは、3月の予防接種法改正によって7価ワクチンが定期接種化されたが、6月にはさらに6種類の血清型を加えた13価ワクチンが国内承認を取得。年内に発売される見通しとなった。
この日の部会には、製造販売業者のファイザーが13価ワクチンの希望納入価格7200円(1シリンジ1回分)を提示したことを受け、費用対効果の推計結果をもとに切り替えの是非を議論した。
推計結果を示した池田俊也委員(国際医療福祉大学薬学部)は、7価ワクチン接種後に13価ワクチンを追加接種した場合、生後24カ月時より18カ月時の方が費用対効果が高かった評価結果を示し、「早めに接種した方が費用対効果が良好であり、財源的に許されるならば追加接種が行われるべき」との見解を述べた。他の委員からも13価への切り替えに大きな異論はなく、部会で了承された。
ファイザーは、政府や自治体への財政負担や混乱を考慮し、今年度内は7価ワクチンと同価格の6800円で供給し、来年度から7200円とする方針をとっている。
厚労省は、13価ワクチンの発売までに接種控えが危惧されるため、「少なくとも初回接種は7価ワクチンをしっかり完了してほしい」としている。
さらに、13価ワクチンを定期接種化するかどうかについても議論したが、定期接種化しないリスク、13価ワクチン導入による予防効果などについて詳細な説明が必要と判断し、次回以降に結論を持ち越した。