緑茶抹は認知機能の低下を抑制
伊藤園の中央研究所、静岡県立大学、白十字ホームの共同研究グループは緑茶抹の摂取で高齢者の認知機能が改善される可能性を確認した。
アルツハイマー型認知症などの神経の変性や脳梗塞、脳出血による脳の血流障害が主要因となって認知機能は低下する。一方、カテキンやテアニンなどの緑茶成分には神経保護作用があるとされる。疫学調査では緑茶をよく飲む人に認知機能の低下が少ないとの報告がある。
伊藤園は大学との共同研究で、テアニンを多く含む緑茶抹を1年間摂取した結果、高齢者の認知機能の低下が抑制される可能性を確認している(2009年)。
テスト数値で認知機能が改善傾向
今回は認知機能が低下気味の高齢者が緑茶抹を3カ月間摂取して認知機能が改善する傾向を観察した。
認知症のスクリーニングには、ミニメンタルステート検査(30点満点の23点以下は認知症の疑い、24~27点は軽度認知機能障害の可能性)を用いた。老人ホームの入居者で同検査27点以下の高齢者(平均年齢88歳、男性2名、女性10名。血管性認知症8名、アルツハイマー病3名、レビー小体型認知症1名)を対象に緑茶抹を1日2g(総カテキン量約227mg)3カ月間摂取してもらった。摂取前の平均値±標準偏差15.3±7.7点(範囲5点~27点)が摂取後は17.0±8.2点に増加、12名中8名が改善していた。血清中脂肪は有意に低下した。緑茶抹接種率は99.7%で摂取後の血中カテキン濃度も上昇した。
近時記憶の低下が認知症の初期症状であることから、緑茶抹の摂取は認知症の進行を抑制する可能性が示唆される。研究グループは長期間の対照群で検証を進める。(馬野鈴草)
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伊藤園ニュースリリース
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