高齢者の転倒の実情
フィリップス・レスピロニクスが京都府立医科大学と共同で「ITを用いた高齢者における転倒・転落監視システム」の研究に着手した。
一般負傷で救急搬送された高齢者(65歳以上)の8割以上が転倒、転落・滑落によるもので、転倒事故の56.7%は自宅で発生する。
フィリップスのケアマネージャー691人への調査では担当する17,520人の内「転倒の危険がある」とされる利用者は全体の43%(7,473人)転倒によるケガや骨折で介護度が重度化した例は12%(2,072人)。転倒後、起き上がれずに転倒したままだった例は1,163人だった。
緊急通報サービスの検証
高齢者の転倒の実情を受けて、フィリップスと京都府立医科大は転倒検知機能付きペンダントによる転倒・転落の検知で自動で通報する「フィリップス緊急通報サービス」の有効性を検証することにした。
研究対象は亀岡市の独居、昼間独居、高齢者世帯の高齢者約100名。6月から8月までに順次開始して約1年間実施する。ペンダントを1日24時間装着し、転倒事故発生時や急病などの緊急事態を記録する。通信機を固定電話に接続してペンダントのボタンを押すと通報する。サポートセンターが通信機のスピーカーで装着者の状態、持病既往歴の確認、駆けつけられる協力者に救助の依頼、救急隊員の手配など必要な対応を行う。ボタンを押せない状況の場合はペンダント内臓のセンサーが自動的にセンターを呼び出す。
サービス開始前、開始後に計6回の日常生活活動テストや老研式活動能力指標、アンケート調査を行い、家族、協力者にも満足度評価などのアンケートを実施する。
このサービスで転倒の早期発見が可能となれば、利用者や家族の安心、介護の軽減、寝たきりの予防、医療費の抑制につながると期待される。(馬野鈴草)
▼外部リンク
フィリップス・レスピロニクスプレスリリース
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