風疹ワクチンが8月に不足する可能性
厚生労働省は、今年の8月末には風疹ワクチンが3万本以上不足するという試算を示した。予防接種に関する部会で、任意接種者数が現在の状況で推移した場合には、安定的にワクチン供給を行う体制が維持できなくなる可能性が高い。
厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会「予防接種基本方針部会」では、今後のワクチン接種についての話し合いが行われた。風疹のワクチンははしかと混合したMRワクチンを使用されるのだが、今年度の供給見込み量としては、MRワクチンが予定していたものより約70万本増加の約430万本、そして風疹単独ワクチンが約7万本増の約24.5万本ということで、供給量は十分であると考えられていた。
しかし厚生労働省が製造販売業者等の在庫の状況を調査し、6月以降の在庫数を試算したところ、8月には約3万1800本が不足するということがわかった。
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中長期的な対策を検討
これまでに製造販売業者に対してはワクチンの安定供給を要請しており、また今月14日には都道府県に対して、妊婦の同居家族や妊娠を希望している女性を優先に、ワクチン接種を行っていくように通知を出した。またホームページでは、ワクチンの供給実績などの情報提供を随時行っている。
ただ現実的にこれ以上のワクチンの増産というのは難しく、予防接種に自治体間で格差が生じるという懸念もある。そのため流行中の都道府県に対してワクチンを集中させることもできず、対応策を打ち出すことが出来ない。
基本方針部会で委員に対しては、安定的なワクチン供給を実現するための対応策を求めた。委員からは海外からのワクチン輸入を検討するという声も上がったのだが、短期的ではなく中長期的な対策を検討する必要があるという意見も出された。(福田絵美子)
▼外部リンク
厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/