患者の自宅に余った残薬を積極的に確認することは、薬局薬剤師の一つの業務とされているが、薬剤師の残薬に対する認識や患者に確認する方法、頻度などの実態は明らかになっていない。そこで、研究グループでは、薬局薬剤師を対象にアンケート調査を行い、薬剤師の残薬に対する認識と患者への確認の実態把握を行った。
調査は、調査会社のモニターから薬局薬剤師415人を選び、2月にWebサイト上でアンケートを実施したもの。残薬を確認した経験、投与日数の調整や再調整の経験、残薬と判断する際に考慮する要因、残薬を確認する方法・頻度・所要時間、薬剤服用歴の記録、急性期疾患と慢性期疾患による違いなどを聞いた。
その結果、残薬を確認した経験のある薬局薬剤師は87・3%だった。処方箋調剤で来局した患者のうち、薬剤師が残薬の確認を行っている割合は、1日の患者を100%とすると約44%程度となった。その中で、残薬分の日数調整や処方削除を行った患者は約14%に上った。さらに、初めて日数調整や処方削除を行った患者のうち、その後も残薬が改善せず、再び残薬分の日数調整が必要になる人は約32%いた。
日数調整や処方削除をした薬剤を尋ねると、最も頻度が高かったのはボグリボース、メトホルミンなど糖尿病治療薬だった。また、処方日数によって残薬を確認する頻度が異なるか聞いたところ、2週間ごとに投薬する患者では「毎回確認する」が25・1%、1カ月ごとでは45・1%、2カ月ごとでは64・3%、3カ月ごとでは68・2%と、処方日数が長期にわたるほど、残薬を毎回確認する頻度が高い傾向が明らかになった。また、残薬の確認を行った場合、大部分の薬剤師が薬剤服用歴に何らかの記録を残していた。
残薬と判断する日数について尋ねたところ、急性期疾患で処方された抗生剤の場合は平均3・3日、糖尿病患者に処方されたSU剤の場合は平均9・7日、αグルコシダーゼ阻害剤の場合は平均10・2日と、特に糖尿病治療薬について薬剤師が約10日分以上を残薬と判断していることが分かった。残薬と判断する場合には、疾患の特徴や患者状態を考慮していた。
これらの結果から、残薬があったために投与日数を調整した後、さらに再調整が必要な患者を経験した薬局薬剤師は大部分を占め、半数以上が残薬による投与日数の再調整を経験していることが分かった。このことから、患者の服薬アドヒアランスの問題が解決されないまま、投薬が継続されている実態がうかがえた。