■PMS部会調査
4月から施行された医薬品リスク管理計画(RMP)について、日本製薬工業協会医薬品評価委員会PMS部会に加盟する約3分の1の企業が申請時に提出していたことが、同部会の調査で分かった。昨年4月以降、自主的にRMPを策定し、提出した企業を含めたもの。今年4月以降では、加盟社の約1割に当たる8社で提出経験があり、安全性部門を中心に、開発から製造販売後まで一貫した安全対策を検討する方向にあることが明らかになった。
調査は、5月にPMS部会に加盟する製薬企業77社を対象に実施したもの。各社のRMPに対する社内体制とRMP策定上の課題などについてアンケートを行った。
昨年4月以降にRMP案を提出したことがあるかどうか尋ねたところ、「ある」が20社(30%)で35品目、「ない」が46社(70%)だった。また、RMPが施行された今年4月以降、申請時に提出したかどうか尋ねると、提出したことが「ある」が8社(12%)で10品目、「ない」が58社(88%)と、RMP施行からわずか2カ月で、約1割の企業が提出した経験を持っていた。昨年4月から自主的に社内でRMPを策定、提出していた企業を含めると、約3分の1の加盟社でRMPの策定経験のあることが分かった。
RMP策定の責任者については、59社が「安全管理責任者」と回答し、ほとんどの企業が安全管理責任者をRMPの策定責任者に考えていた。RMP策定・運用の関連部門を聞くと、多くの企業が開発時、製造販売後ともにGPSP部門、薬事部門を挙げていた。特に製販後のRMPの運用については、営業部門が関わっている企業も多かった。
これらの結果から、加盟企業におけるRMP策定は安全性部門が主体となって、開発から製販後まで一貫した安全対策を検討する方向にあることが分かった。RMPの運用に当たっては、生産、研究、薬物動態、メディカルライティングなど、多くの部門と連携することが必要になることも示された。
その上で、RMPの課題について、重要なリスク設定根拠の記載深度、早期の開発段階からRMP作成に取り組む社内組織体制の構築などを挙げた。また、行政に対しては、承認遅延とならないRMPの迅速な審査、RMP策定・申請上の全般的な課題の公表・解説、重要なリスクに対する当局と企業の考え方の相互理解などを要望した。