厚生労働省の厚生科学審議会の専門部会は14日、今年度から定期接種になった「サーバリックス」と「ガーダシル」の2種類の子宮頸癌ワクチンについて、「積極的な勧奨を一時中止する」との結論をまとめた。接種後に体の広範囲にわたって痛みを訴える副反応が30件以上報告され、未だに回復していない例もあることなどを踏まえた措置。2種類のワクチンは、定期接種の対象からは外さず、無料接種は続ける。
部会では、副反応報告のうち、疼痛が体の広範囲にわたった38件を重点的に分析したところ、ワクチン接種後に痛みが生じたタイミングなどから、接種との因果関係が否定できない症例が複数あると判断。また、38件のうち8件が未だに回復していないことなどから、「原因が分からず、国民に注意点を説明できない」として、定期接種は継続するが、積極的には接種を勧めないとした。
厚労省は今後、ワクチン2種の副作用の違いや海外の報告例などを集めた上で、改めて部会で評価を行い、積極的な接種の呼びかけを再開するかどうかを判断することとしている。
部会の結果を受け厚労省は同日、全国の自治体に対して積極的な接種の呼びかけを一時、中止するよう勧告した。勧告では、接種の希望者が医療機関を訪れた場合、接種を積極的には勧めていないことを伝えた上で、有効性と安全性について十分に説明するよう求めている。