がん細胞に対しダブルで攻撃
6月14日、独立行政法人物質・材料研究機構はがんに対する温熱療法と化学療法を同時に行うことができるナノファイバーメッシュを開発したことを発表した。
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がんは通常、手術・放射線療法・化学療法の三本柱で治療が進められているが、最近注目を集めているのが温熱療法だ。温熱療法はがん細胞が熱に弱いという特性を利用した治療法で、化学療法と併用することで高い効果が期待される。しかし実際にこの2つの治療法を同じ部位に対して同じタイミングで行うことは困難なものだった。
ナノファイバーメッシュの仕組み
新しく開発されたナノファイバーメッシュは自己発熱する磁性ナノ粒子を含んでおり、交流磁場をかけることで加熱される。またその熱によって温度応答性高分子が収縮し、内部の抗がん剤が放出される仕組みになっている。また、交流磁場をかけることでがん細胞の自然死誘導のON-OFF制御可能であることが明らかだ。
本開発は、体外からの刺激によってのみ、患部での加熱と薬物放出を同時にON-OFF制御できるため、病気の治療の時空間制御(任意のタイミング・場所での薬の投与など)が求められている21世紀において、次世代医療材料の開発の大きな前進となると考えられます。(独立行政法人物質・材料研究機構ホームページより引用)
(小林 周)
▼外部リンク
独立行政法人物質・材料研究機構 発表記事
http://www.nims.go.jp/news/press/2013/06/p201306140.html