兄弟姉妹の人間関係は、子どもの成長に大きな影響を及ぼします。例えば、子どもは、兄弟や姉妹といると、1人でいるときよりも不安が軽くなるそうです。
多くの人たちは、これまで、兄弟げんかは当たり前、子どもはケンカも成長材料の一つだと考えてきました。
ところが、兄弟げんかは子どもの心の発達にマイナスの影響を及ぼして、うつなどの問題につながるというアメリカからの報告がありました。
これは、10歳から17歳の子どもたちへの電話インタビューと、0歳から9歳の子どもたちの保護者、併せて3599人に電話でのインタビューを行って得られた結果を分析した報告です。
0歳から9歳の子どもも、10歳から17歳の子どもも、過去1年にさかのぼって大きな兄弟げんかをした子どもたちでは、なんらかの形で心の健康度がひくくなっていたそうです。
兄弟げんかの結果、ケガをするなど、身体的な暴力を受けた場合は、0歳から9歳の子どもたちの方が、10歳から17歳の子どもたちよりも、心の傷を負いやすいようでしたが、言葉の暴力など、身体的以外での形の暴力が心の健康に与える影響の度合いでは、年齢による違いは見られませんでした。
もちろん、兄弟げんかを通して子どもが様々なことを学んで身につけていくことにかわりはありません。けれども、当たり前のことと思って見過ごさず、必要なときには周りの大人が、良い兄弟関係を保つ手助けをしてあげることも大切なのですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Positive and Negative Interactions Observed Between Siblings: Moderating Effects for Children Exposed to Parents’ Conflict
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/
Association of Sibling Aggression With Child and Adolescent Mental Health
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2013/06/12/