「ヒュミラ(R)」に効能・効果の追加承認
エーザイ株式会社(東京都文京区)とアッヴィ合同会社(東京都港区)は、6月14日、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ®皮下注40mgシリンジ0.8ml」(一般名:アダリムマブ〈遺伝子組み換え〉、以下「ヒュミラ®」)について、潰瘍性大腸炎に関する効能・効果の承認を取得したと発表した。
(画像はwikiメディアより引用)
国内において、中〜重症の潰瘍性大腸炎に対して、自分で注射できる初の生物学的製剤となる。
治療薬が望まれている潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は、大腸粘膜に潰瘍やびらんができる原因特定されていない非特異的炎症性疾患であり、厚生労働省の特定疾患に指定され、治療法の開発に重点が置かれている。
国内では13万人以上の患者がおり、年間8,000人増えているとされる。
下痢や激しい腹痛などの症状を呈し、長期間、再燃と緩解を繰り返すため、患者の負担も大きい難治性の疾患である。
「ヒュミラ(R)」は2週間に1回投与
今回発表になった「ヒュミラ®」は、TNFを阻害する抗体医薬品。
一定の条件を満たせば自己注射できる皮下注製剤で、先行品「エンブレル」よりも投与間隔が長いため簡便な特徴がある。
関節リウマチ、乾癬、クローン病、強直性脊椎炎、若年性突発性関節炎の治療薬として、国内では2008年から販売されている。
他の生物学的製剤と同様に、免疫の働きを低下させるため、感染症にかかりやすくなることがあるので、異常が見られた際には主治医への相談が必要だ。
バイオロジクス製剤の発展に期待
アッヴィは、アボットからの分社を経て設立された国際的なバイオ医薬品企業で、免疫疾患に関する新規治療薬を主軸に開発している。
一方、エーザイは従来の低分子化合物合成に加え、バイオロ
ジクス(生物学的製剤)分野へ積極的に参入。
製造販売承認をアッヴィが取得、アッヴィとエーザイによる1ブランド、1チャネル、2プロモーション方式で共同プロモーションを行い、販売はエーザイが担当する。
患者のQOLが著しく低下する潰瘍性大腸炎だが、この承認によって自己注射が可能になることは、多くの患者・医療従事者に朗報である。(長澤 直)
▼外部リンク
エーザイ株式会社プレスリリース
http://www.eisai.co.jp/news/
アッヴィ合同会社
http://www.abbvie.co.jp/home/
ヒュミラ®情報ネット
http://www.e-humira.jp/