承認申請に向けて
6月12日、アボットバスキュラージャパン株式会社は生体吸収性薬剤溶出スキャフォールドの承認申請に向けて、臨床試験を国内で開始したことを発表した。
(この画像はイメージです。)
従来の金属製ステントは体内に永久的に遺留物が残ってしまうが、アボットの生体吸収性薬剤溶出スキャフォールドは冠動脈疾患(CAD)の治療に用いられた後、体内で吸収される。これは吸収性縫合糸として一般的に使われているポリラクチド(ポリ乳酸)で構成されていることによるもので、この材質については生体適合性の高さがすでに証明されている。
今回の治験では400名の登録被験者による12ヶ月経過観測による評価が行われ、同社の金属製薬剤溶出ステント「XIENCEシリーズ」と比較することで、生体吸収性薬剤溶出スキャフォールドの有効性・安全性が検証される。
アボット社社長の言葉
代表取締役社長のハービンダー・シン氏は、今回の発表を次のように結んでいる。
「年々懸念が高まっている循環器疾患の治療向上のため、我々は本治験を通じ、日本への革新的な医療技術の導入に向け取り組んでおります。本治験では、日本のCAD患者に対する世界初の生体吸収性薬剤溶出スキャフォールド(BVS)の安全性と有効性が示されることになり、本邦でのBVS承認申請に向け、引き続き前進していくことを期待しています。」(アボットバスキュラージャパンHPより引用)
(小林 周)
▼外部リンク
アボットバスキュラージャパンHP 発表記事
http://www.abbott.co.jp/press/2013/130612.html