腸管型ベーチェット病での適応を取得
生物学的製剤のアダリムマブ(商品名ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0.8mL)に腸管型ベーチェット病の適応が追加された。
用法・用量としては「初回160mg、初回投与2週間後に80mgを皮下注射。初回投与4週間後以降は40mgを2週に1回皮下投与」となっている。アダリムマブは日本では、関節リウマチや、尋常性乾癬、関節症性乾癬、クローン病・強直性脊髄炎、若年性特発性関節炎の適応を取得しており、広く臨床使用されている薬剤である。
腸管型ベーチェット病は、口腔粘膜のアフタ性潰瘍、皮膚症状、眼症状、外陰部潰瘍を主な症状としており、急性炎症を繰り返すというような全身性炎症性疾患である。
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遺伝子が発症の原因と推測
病因としては現時点ではわかっていないことも多いのだが、ヒト白血球抗原(HLA)のHLA-B51というタイプの陽性率が高いということから、発症するには特定の遺伝子が関連しているものと考えられている。
地域的に見た場合にはアジアや、中近東、地中海沿岸地方に多く、ヨーロッパやアメリカでは稀な疾患となっている。日本においては、特定疾患医療受給者数は1万8000人以上で、このうち10~15%は腸管型ベーチェット病だといわれている。発症年齢は男女ともに20~40歳が多く、30歳前半が最も多い。
今回、適応追加したことによってアダリムマブは、日本腸管型ベーチェット病に適応を取得した初めての生物学的製剤となる。薬剤の使用に関しては副作用が出やすいということから注意が必要である。
なおアダリムマブは、炎症性反応あるいは免疫反応に関与する代表的な腫瘍壊死因子であるTNFαを中和させるモノクローナル抗体である。 また追加されたのは40mg製剤だけであり、20mg製剤は取得していないことに注意が必要である。(福田絵美子)
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エーザイ株式会社 ニュースリリース
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