中央社会保険医療協議会
2014年診療報酬改定に関する議論を進めている中央社会保険医療協議会の総会で、京都府医師会副会長の安達秀樹氏が、「これまでは“包括化した後に下げられる”から反対してきたが、包括化自体を議論するのはやぶさかではない」と発言、注目を集めた。
中央社会保険医療協議会では、主治医機能の強化や診療所の機能について、その他にも初診や再診料などについての議論が行われた。安達氏は「生活習慣病が複数あるような患者は、すでに1人のドクターが総合的に診ている」「包括する範囲は、狭い方がよいのではないか」「高齢者について、議論の余地がある」なども発言しており、生活習慣病を患っている高齢者を対象とした診療所向けの包括化点数を考えていると思われる。
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さらに議論は続く可能性
このような発言に対しては、支払側委員である健康保険組合連合会専務理事の白川修二氏も、「生活習慣病患者の包括化を議論していくべき」と賛成した。このような意見が出た理由としては、厚生労働省が示した資料の中に、主治医機能の論点として「中小病院および診療所の主治医機能を持った医師が、複数の慢性疾患を有する患者に対し、適切な専門医療機関等と連携することにより、継続的かつ全人的な医療を行うことを、総合的に評価することについて、どのように考えるか」と書かれていたことである。
厚労省は「主治医機能には、検診の受診勧奨や気軽に健康相談できることなどが含まれるが、診療報酬では評価の対象になっていない。だが、このようなことも同時に評価する必要があると思い表現した」と説明した。しかし委員らは「総合的に評価」ということから包括点数を連想したようである。
中医協での議論というのは、これまでは改定率や財源に意識がいく秋以降に行われるのが一般的であり、このタイミングで議題に上ることは極めて異例である。ほかにも、診療所の再診料について、「69点から71点に戻すべきだ」といった意見も相次いで出ており、来春の診療報酬改定では更に議論になる可能性がある。(福田絵美子)
▼外部リンク
中央社会保険医療協議会総会 資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000033s56.html