このところ、健康のために、セミベジタリアンやマクロビオティックなど、野菜をたくさん食べて、動物性タンパク質や脂肪を減らす食生活に注目が集まっています。
国内外でも多くのセレブが、ベジタリアンを公言していることもあり、年々身近になってきている食事のスタイルと言っても良いでしょう。
一方で、野菜中心の食事では、健康の維持のために、気をつけなければならないポイントがあります。欧米ではベジタリアンの人たちの間で、ビタミンB12不足が心配されています。特に、だし汁や、肉のスープ、卵も食べないビーガンの人たちでは、「卵は大丈夫」「魚介類はOK」というベジタリアンよりも、B12不足に陥っている人の割合が多いそうです。
ビタミンB12には、赤血球を作り出す働きに関わっていますので、ひどい欠乏症では悪性貧血という貧血を起こすことがあります。また、精神状態を安定させる働きもあるのです。
野菜中心の食事をしている人は、サプリでビタミンB12を摂るのも一つの方法ですが、自然の食べ物にこだわりがある場合、サプリを使うことに抵抗がある人もいるようです。その場合は、ビタミンB12が豊富な食品を意識的に食べることが必須になります。
ビタミンB12の推奨摂取量は、厚生労働省によると成人で2.4マイクログラム。卵ならば2.5個程度です。植物性の食品の含有量が非常に少ないのですが、どうしても動物性のものは受け入れられないという、ビーガンの人なら、海藻類にも含まれています。健康のための食生活が不健康につながらないよう、栄養についての知識をきちんと身につけるようにしましょう。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
How prevalent is vitamin B12 deficiency among vegetarians?
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/
Vegetarian diet and mental disorders: results from a representative community survey
http://www.ijbnpa.org/content/9/1/67/