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北海道ではライム病、小児と高齢者はダニからの皮膚感染症に注意

読了時間:約 1分13秒
2013年06月12日 PM02:13

北海道でライム病患者が大

ライム病というのは、マダニが媒介するボレリア菌による感染症であり、現在は4類感染症にも指定されている。北海道では平地に、そして本州では山地に生息しているのだが、とくに北海道に感染者が増加している。

米国では年間に1万人以上の患者が報告されているのだが、その中には下半身不随になってしまうというような重篤な後遺症が生じてしまう患者である。しかし今のところ国内での報告事例としては、重症化したケースはない。その理由としては、国内のボレリア菌の毒性というのは、海外の菌に比べると弱いと考えられており、また早期から抗菌薬を投与することに酔って重症化を予防できているからということである。

しかし最近では、マダニによって顔面生麻痺を生じてしまった患者が数人でたという報告がある。神経麻痺は薬剤で完治するのだが、マダニから咬まれて数カ月後に神経麻痺を生じるということから、ライム病を鑑別に加えて問診を行わなければ診断が難しい。

(この画像はイメージです)

ダニによる皮膚感染症の集団感染

またその外にもヒトヒゼンダニと言われるダニが、皮膚の角質層に寄生することによって発症する皮膚感染症で、年間10万人程度の患者数であると言われている。このダニによる集団感染というのはこれまでは高齢者が患ってしまうことが多く、介護施設で爆発的に集団感染してしまったという報告もある。

その他にも保育所や幼稚園、病院の新生児室や小児科などでも、ダニによる皮膚感染症の報告がある。小児への感染経路というのは様々なのだが、介護施設の場合は職員からということが一番多く、また小児の場合も大人などから感染しているということがわかっている。とくに小児の場合は皮膚感染症ではなく、湿疹や虫刺されと間違われることが多いため、重症化してしまうおそれがある。(福田絵美子)

▼外部リンク

国立感染症研究所感染症情報センター
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g1/k02_11/k02_11.html

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