日本薬剤師会は2013年度第2回都道府県会長協議会を8日、都内で開いた。ネット販売問題に関し児玉孝会長は「官邸の方針であり、自民党や与党としての取りまとめがあり、原案通り14日に閣議決定するかは未定。もし原案通りであっても、薬事法を含め制度改正が必要であり、最終的には秋の臨時国会で議論がある」とし、その間の厚生労働省検討会での審議、国会議員へ解禁反対を積極的にアピールしていくことを示唆した。
最初に児玉氏は、ネット販売問題について「最大限の努力をしたが、結果として官邸から残念な方向性が打ち出された。会長としてお詫びしたい」と謝罪した。その上で「会員には、この問題はまだ終わっていないと説明してもらいたい」と強調した。
担当の生出泉太郎副会長は、検討会での状況や報告書作成後、官邸側の急速な動きを紹介すると共に、矢継ぎ早に発せられた成長戦略(素案)、規制改革会議による答申、骨太方針(素案)内容が「検討会の審議結果を無視したもの」と強く批判した。これを受け「自民党を支持してきたが、こういう答えを出した以上、揺り戻しがある」と、自民党との決別を支持するような発言がいくつかの県薬代表からあった。
児玉氏も「許せないことであり、大きな怒りを感じている。真剣な議論をしてきたにもかかわらず、薬の安全性を無視して、政治マターになってしまった。また、楽天の三木谷浩史氏は副作用の問題が起こっても責任はとらないと明言しており、全く許せない」と応じた。
その一方で、成長戦略(素案)に「セルフメディケーションの推進のために薬局・薬剤師の活用を推進する」と明記されている点について、今年3月の社会保障制度改革国民会議以降、「何度も訴えてきたことが骨太方針(案)の中にも盛り込まれた。調剤も大事だが、疾病予防や未病対策に関わることは自分たちの歩むべき道ではないか」など、評価すべき部分もあると指摘した。
また、県薬代表からは「会員がどれだけの危機感を持っているのか、不安に感じる。FAXニュースなどを活用して、一連の行動や発言を時機を逸しないよう直接伝えてほしい」との要望もあった。これに対し児玉氏は「14日の閣議決定をもって、一定の見解を出す必要があると思っている」と応じた。