医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 日本リウマチ学会が異例の対応、トファシチニブ使用ガイドラインを発表

日本リウマチ学会が異例の対応、トファシチニブ使用ガイドラインを発表

読了時間:約 1分16秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年06月12日 PM02:13

トファシチニブ使用ガイドライン

日本リウマチ学会が、「全例市販後調査のためのトファシチニブ使用ガイドライン」を発表した。

(商品名ゼルヤンツ/ファイザー)は生物製剤と同程度の有効性がある経口の関節リウマチ治療薬である。今年5月に薬価収載をされたのだが、6月7日時点でまだ発売されていない。

リウマチ学会は、トファシチニブを投与している最中に重篤な事象を合併する可能性があるということで、ガイドラインを作成し適応や・早期発見・治療のための注意点を示した。



添付文書にはトファシチニブの適応としては「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」としている。その一方でガイドラインでは、「メトトレキサート(MTX)8mg/週を超える用量を3カ月以上継続して使用してもコントロール不良の関節リウマチ患者」と、適応を限定した形となっている。

(この画像はイメージです)

安全性に懸念

さらに安全性を配慮して、「末梢血白血球4000/mm3以上」、「末梢血リンパ球数1000/mm3以上」、「血中β-D-グルカン陰性」の3項目を満たすということも強く推奨されている。

重篤な感染症合併患者や、悪性腫瘍がある患者には投与禁止となっている。また治験では悪性腫瘍やリンパ増殖性疾患が報告されていること、そしてほかの人種に比べた場合にアジア人の重篤感染症発現率が高かったということで注意を呼び掛けている。



ガイドラインには、発熱や咳、呼吸困難が出た場合の対応をまとめたフローチャートも盛り込まれている。そのような症状が出た場合には、胸部単純X線写真、CT検査、身体所見、臨床検査を実施し、トファチシニブの投与を一旦中止しなければいけないとしている。

リウマチ学会は国内での被験者数が限られていることや、安全性に懸念があるということで、「トファシチニブについて」と題する要望書をファイザーに提出している。今回のガイドラインは、同学会調査研究委員会生物学的製剤使用ガイドライン策定小委員会が策定した。(福田絵美子)

▼外部リンク

日本リウマチ学会
http://www.ryumachi-jp.com/info/

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • ジョンソン・エンド・ジョンソン 肺がん領域に初参入
  • レポトレクチニブ「がん細胞が耐性を獲得しにくく、長期使用に期待」
  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待