■次世代に向けさらに発展誓う
日本薬剤師会の創立120周年記念式典・祝賀会が9日、都内のホテルで開かれ、1000人近い関係者が参集した。式典には、常陸宮ご夫妻が臨席されたのをはじめ、安倍晋三首相、伊吹文明衆議院議長、田村憲久厚生労働相、下村博文文部科学相、横倉義武日本医師会会長らが出席し、120年の節目を祝った。
記念式典であいさつした児玉孝日薬会長は、1893(明治26)年の同会設立時を振り返り、「当時の薬剤師の先達が、わが国の医療に貢献できる薬剤師職能を確立するため、医薬品の制度の実現に強い意欲を持ち、様々な運動を展開した」と強調。
その上で、「120年前の先達が将来の薬剤師が国民の医療や健康に貢献できることを夢見て、設立したのが日本薬剤師会」とし、「この節目に改めて次の世代を担う薬剤師に先達の夢をつないでいくことを心から誓う」との決意を表明した。
常陸宮殿下はあいさつで、「阪神淡路大震災や東日本大震災において、多くの薬剤師の皆さんが被災地で医薬品の供給に尽力されたと聞き、大変心強く思いました。今後も、国民の命と健康を守るため、医療の担い手として、他の医療関係者と連携し、大いにその役割を発揮されるよう祈念します」と述べられた。
一般薬のインターネット販売の原則解禁を打ち出した安倍首相は、ネット販売には言及せず、成長戦略の大きな柱の一つである健康・医療分野への協力を呼びかけた。また、政権が策定を進めている成長戦略では、「革新的な医薬品の実用化など、最先端の医療の実現を図ることが重要な課題と考えている」と述べた。
その上で、「国民が健康で長生きできる社会の実現を目指して、皆さんとしっかりと連携し、最大限の努力をしていきたい」と協力を求めた。
田村厚労相は、「消費者の安全性を確保するためのしっかりとしたルールを作ることが最重要」とネット販売解禁に理解を求めると共に、ネット販売を容認するに当たり、「安倍首相も言っていたが、消費者の安全性を確保するためのしっかりとしたルールを作ることが最重要であると考えている」と強調。
中でも、医療用から一般用に転用したばかりのスイッチ直後品目について、「医療用医薬品に準じた形で慎重な使用を促すための仕組みを医学や薬学の専門家で検討し、秋ごろまでに結論を得た上で制度的な措置を講じていきたい」とした。
その上で、薬局や薬剤師には、「セルフメディケーションの推進、地域に密着した健康情報の拠点に力をいただかなければならないと考えており、厚労省もしっかりと支援していきたい」と述べた。