骨髄異形成症候群
骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome、MDS)は造血幹細胞レベルで生じる後天性造血障害で、骨髄では血液細胞が造られるが、その血液細胞が血管内に移動できないために生じる血球減少と白血病細胞が存在するため急性骨髄性白血病に移行する可能性の高い予後不良の疾患である。日本では、15歳以上の人口10万人あたり3人と推定され、2004年度に行われた調査では登録された15歳以上のMDS患者400例において男女比は2:1で年齢中央値は65歳で,
そのピークは61歳から70歳にみられ、今後の高齢者社会の進展により罹患患者数の増加が予想されている。
症状としては、動悸、息切れ、倦怠感などがあり、慢性に進行する貧血では自覚症状に乏しい場合があり、健診やほかの病気で通院中に発見されることがしばしばある。皮下出血、鼻出血、歯肉出血などの出血、白血球の減少で肺炎などに感染しやすくなり、発熱がみられる感染症状で発見されることも少なくない。
(画像はウィキメディアより)
第1相試験結果
富士フイルムは、抗がん剤「FF-10501」の再発・難治性MDSを対象とする国内第1相試験を開始したと発表した。「FF-10501」は、血液がん細胞の増殖を抑制することに加え、正常機能を持つ細胞への分化を促進することが期待される薬剤で、既存のMDS治療薬が主に注射剤であるのに対して、「FF-10501」は経口剤であるため、高齢患者にとってのQOLの向上に適している。
富士フイルムでは、アンメットメディカルニーズが高いがんを重点に、研究・開発を積極的に推進していく。(堤朝子)
▼外部リンク
富士フイルム ニュースリリース 2013年6月3日
http://www.fujifilm.co.jp/