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イーライリリー、GLP-1受容体作動薬とグルカゴン受容体拮抗薬の治験結果を発表

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2013年06月11日 AM07:13

GLP-1は、食事を摂取し血糖値が上がると、小腸にあるL細胞から分泌され、膵臓のβ細胞表面にあるGLP-1の受容体にくっつき、β細胞内からインスリンを分泌させる。また、血糖値が高い場合にのみインスリンを分泌させる。

グルカゴンとは、ペプチドホルモンの一つで,肝臓に作用しグリコーゲンを分解して血液中のブドウ糖を上昇させる。またアミノ酸からの糖新生や脂肪組織における脂肪分解を促進する。グルカゴンは膵臓のランゲルハンス島にあるA(α,α2)細胞で合成,分泌される。現在、GLP-1受容体作用薬とグルカゴン受容体拮抗薬が糖尿病の治療において注目されている。

(画像は絵ウィキメディアより)

リリー、2剤の治験結果

日本イーライリリーは、開発中の新規糖尿病治療薬候補2剤の治験結果を発表した。dulaglutideは長時間作用型GLP-1受容体作動薬で、LY2409021は新規選択的グルカゴン受容体拮抗薬である。1つの試験は、食事/運動療法又は経口血糖降下薬単剤療法で効果が十分でない日本人2型糖尿病患者にdulaglutideを週1回皮下投与した際の用量-反応関係を評価した、プラセボ対照、無作為化、二重盲検、比較試験であった。患者にプラセボ又はdulaglutide(0.25、0.5又は0.75 mg) を週1回皮下投与した。145例に治験薬が投与され、138例が完了した。12週後でのHbA1cのベースラインからの平均変化量はプラセボ、0.25、0.5、0.75 mg群でそれぞれ、-0.18%、-0.90%、-1.15%、-1.35%であり、dulaglutideの用量依存的な血糖降下作用が確認された。有害事象発現率において、プラセボ群とdulaglutide各群の間に統計学的な有意差は認められなかった。以上の結果から、dulaglutide 0.75 mgの週1回皮下投与は概して良好な忍容性があり、日本人2型糖尿病患者での臨床推奨用量になると考えられた。

また、日本人2型糖尿病患者を対象としたLY2409021(以下LY)を1日1回28日間投与したときの、安全性、忍容性、薬物動態及び薬力学を評価した試験の結果も発表した。31例の日本人2型糖尿病患者に対して、プラセボ又はLY(5、30、60mg)を1日1回28日間経口投与した。 投与28日目の各LY群のtmaxの中央値は4 – 7時間、t1/2の平均値は61.1~65.7時間であり、曝露量に用量比例性が認められ、空腹時血糖値及びHbA1cは用量依存的に低下した。29日目の空腹時血糖値のベースラインからの変化量のプラセボとの差(最小二乗平均)は、5、30、60mg投与でそれぞれ、-41、-59、-67mg/dL であった。概して良好な忍容性が認められ、軽度の低血糖症が30mg群で1件報告された。LY群で可逆的なALT、AST上昇が認められたが、総ビリルビン上昇や肝障害を示唆する症状は伴わなかった。(堤朝子)

▼外部リンク

イーライリリー ニュースリリース2013年5月21日
https://www.lilly.co.jp/pressrelease/

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