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大阪大学 72%の発症防御効果のマラリアワクチンを開発

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2013年06月10日 PM08:13

効果のあるワクチンがない

大阪大学微生物病研究所はBK-SE36マラリアワクチンを開発し、ウガンダでの臨床試験で72%の発症防御効果を確認した。

ハマダラカが媒介する熱帯熱マラリアはアフリカ諸国を中心に流行、年間感染者2億人、5歳までの幼児を中心に120万人が死亡しているとされ、妊娠マラリアのリスクも高い。抗マラリア薬に対する耐性が蔓延し、効果的なワクチンはまだない。AMA1-C1/Alhydeogel(米国NIAID/NIH)の防御効果が0%、RTS,S/AS01A(グラクソ・スミスクライン)が31.3%だ。

日本発のワクチン

マラリア原虫はヒトの免疫防御システムを回避するメカニズムを種々発達させ、その一つが遺伝子多型。ある型の抗原遺伝子でワクチンを作製してもそれに反応しない抗原遺伝子をもつ原虫には効果がない。阪大は455種の原虫を解析してSERAタンパク質の遺伝子に遺伝子多型が極めて低いことを発見、SERAタンパク質の遺伝子組換えタンパク質を作製した。BK-SE36マラリアワクチンはSE36タンパク質と水酸化アルミニウムゲルを混合した凍結乾燥製剤。

マラリアの高度流行地域のウガンダ北部で試験を実施した。マラリア感染歴のある人の免疫反応で安全性を確認し、免疫原性試験でSE36タンパク質に対する抗体が誘導されるかを調べた。成人はワクチンに反応しなかったが6-10歳では免疫応答が認められた。第Ib相臨床試験で6-20歳の66名にワクチンを接種、1年間感染状況を観察した結果、未接種の対照群に比べて72%の防御効果があることがわかった。

マラリアは熱帯・亜熱帯の開発途上国の健康を蝕み経済への打撃も大きい。日本発の効果的なワクチンが国際貢献になり、国際社会で日本のプレゼンスを高めることにつながると期待される。(馬野鈴草)

▼外部リンク

大阪大学プレスリリース
http://www.osaka-u.ac.jp/

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