日本薬剤師会、日本チェーンドラッグストア協会、全国薬害被害者団体連絡協議会など一般薬のネット販売に慎重姿勢を示す6団体は4日、厚生労働省内で会見し、副作用リスクの高い第1類のネット販売を解禁することについて、「絶対に受け入れられない」と反発した。
6団体は、同日に公表した「一般用医薬品のインターネット販売について(意見)」で、第1類をネット販売の対象から外すよう求めると共に、「国民の安全をないがしろにしてまで政策を進めることは、後世に禍根を残す」と非難。全面解禁により、ネット販売による事故が生じた場合の“ネット販売推進派”の責任の所在を明らかにすべきとした。
各団体の代表からは、厚労省の「一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会」の報告書が正式にまとまっていないにもかかわらず、政府内でネット販売の解禁に向けた議論が進んだことに対し、「これまでの検討会の議論は何だったのか」「検討会の議論がないがしろにされている」といった意見が相次いだ。
全国薬害被害者団体連絡協議会の花井十伍代表世話人は、政権がネット販売の全面解禁を成長戦略や規制緩和策の目玉にしていることに言及し、「政治のパフォーマンスに使われていることに危機感を感じる」と非難。同協議会の増山ゆかり副代表世話人も「(製薬企業は)消費者の安全より、利益優先に傾いてしまうことがある。経済活性化のためには、医薬品の販売環境まで規制緩和しなければならないのか」とした。
日本薬剤師会の生出泉太郎副会長は「医薬品(産業)が成長するということは、病気が増えるということ。それで経済成長が見込めるのか」と疑問を呈した。