開胸を避けた治療が可能に
5月30日、岡山大病院の治療グループは多孔性心房中隔欠損症について、3次元画像処理技術を用いたカテーテル治療が可能になったと発表した。これにより患者に対する負担が大きい開胸手術を避けて治療することができるようになる。
(この画像はイメージです。)
心房中隔欠損症は先天性で発症し、約1,500人に1人の割合で見つかっている。進行すると不整脈を引き起こし、心不全や脳梗塞につながる。
岡山大病院は2005年から国内最多となる700例もの心房中隔欠損症の治療を実施している。心房中隔欠損症の治療の多くは直径約3mmのカテーテルを足元から入れて穴を防ぐ方法がとられるが、複数の穴が開いている多孔性の場合は開胸する。心房中隔欠損症の約9%がこの多孔性だ。
患者の負担が大幅に軽減される
3次元画像処理技術を用いてカテーテル治療では、まず超音波を発生する装置をつけた管を口から食道に入れる。得られる情報から心臓内部を3次元画像処理し、その画像により穴の大きさや位置が正確に把握できるようになる。
この治療法は2011年以降27人の多孔性心房中隔欠損症患者に実施され、26人が成功している。この治療グループを率いる赤木禎治准教授は
「2~3週間かかる入院が必要な外科手術を避けることができる。新たな診断方法を広めたい」(読売新聞から引用)
としている。(小林 周)
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岡山大学病院 ホームページ
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