血尿診断ガイドライン2013
血尿診断ガイドライン編集委員会が、「血尿診断ガイドライン2013」を刊行した。
06年に刊行された「血尿診断ガイドライン」は、テキスト形式であったが、今改訂でクリニカルクエスチョン形式を採用した。内容としては各CQへの回答に対して推奨グレードを設定。各CQへの回答には、ステートメントなどの要約をつけた。推奨内容としては基本的に前回のガイドラインと同じなのだが、より推奨内容が一目で分かりやすくなった。
無症候性顕微鏡的血尿と考えられている例に対しては、定期的に再検尿を行う医師もいるが、それ以降の受診を求めない医師もいるというように、対応がまちまちである。そのため編集委員である埼玉医大腎臓内科教授の岡田浩一氏は、「今改訂でCQに対する回答という形で推奨内容を明確化したことで血尿診療が標準化されることを期待している」と述べている。
(Wikiメディアより引用)
スクリーニングの精度が向上
新しいガイドラインとしては、健診などで尿潜血陽性を指摘されたり、無症候性顕微鏡的血尿と診断された場合には、尿蛋白陽性か尿沈渣に変形赤血球を認める場合に腎臓専門医への紹介を推奨している。また、無症候性顕微鏡的血尿の全例にたいしては、泌尿器科的なスクリーニング検査を奨めている。しかし、再検で尿沈渣中に赤血球が存在しない場合には、精密検査は推奨しないため、それ以上の受診は勧めなくてよいとしている。
今回の大きな変更点としては、無症候性顕微鏡的血尿で、尿路上皮癌のスクリーニングで陰性となった場合の対応である。以前は、スクリーニングの精度が低かったため、陰性でも定期的なスクリーニングを推奨することが多かった。しかし近年では、スクリーニングの精度が向上しているため、再スクリーニングは不要と明言している。
改訂を行ったのは、日本腎臓学会、日本泌尿器科学会、日本小児腎臓病学会、日本臨床検査医学会、日本臨床衛生検査技師会、日本医師会の関係者などの血尿診断ガイドライン編集委員会であり、改訂の影響については、数年後に検証する予定である。(福田絵美子)
▼外部リンク
血尿診断ガイドライン2013
http://www.jsn.or.jp/guideline/pdf/hugl2013.pdf