日本初の官民基金「グローバルヘルス技術振興基金」(GHITファンド)は、国内製薬企業と連携し、途上国向け感染症治療薬の開発に向けたスクリーニング事業を開始した。国内製薬企業と研究機関は保有する化合物ライブラリーを公開し、海外の非営利団体と共同で結核やマラリア、顧みられない熱帯病の候補化合物の探索を進める。
今後、製薬企業と非営利団体は正式に契約する。
GHITファンドは、途上国でまん延する薬剤耐性結核、マラリア、顧みられない熱帯病(リーシュマニア病、シャーガス病、アフリカ睡眠病)について、国内製薬企業5社、国内研究機関2施設、海外の非営利団体と新たなパートナーシップを構築し、初めてのプロジェクトを開始した。
薬剤耐性結核については、エーザイ、塩野義製薬、第一三共、武田薬品が新薬候補となる化合物ライブラリーを公開し、これを用いてスイスの非営利団体「結核治療薬開発のための世界同盟」(TBアライアンス)と共同で候補化合物のスクリーニングを行う。
マラリアについては、エーザイ、第一三共、武田薬品の製薬3社、北里研究所、微生物化学研究所がスイスの非営利組織「メディシン・フォー・マラリア・ベンチャー(MMV)」と共同で候補化合物のスクリーニングを行う。
顧みられない熱帯病については、エーザイ、武田薬品、北里研究所、微化研がスイスの非営利団体「顧みられない病気のための新薬開発イニシアチブ」(DNDi)と共同で候補化合物のスクリーニングを行う。
今後、国内製薬企業5社、国内研究機関2施設と非営利団体は、それぞれ化合物ライブラリーのスクリーニングに関する契約を正式に結ぶ予定。
GHITファンドは、これらのスクリーニングプログラムに助成を行う。今後も多くの製薬企業や研究機関にスクリーニングプログラムへの参画を促し、改めて公募を行う予定にしている。