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日本発「MEK阻害剤」トラメチニブ、FDA承認取得

読了時間:約 1分18秒
2013年06月02日 PM12:13

世界最初のMEK阻害剤へ

日本たばこ産業株式会社(東京都港区、以下JT)は、英グラクソ・スミスクライン社(以下、GSK社)へ導出しているMEK阻害剤(一般名:トラメチニブtrametinib)を有効成分とする経口剤が、米国食品医薬局FDAの承認を取得したと、5月30日発表した。

(写真はイメージです)
アメリカでの販売名はMekinist。MEK阻害剤として世界で初めて承認を取得した医薬品となる。

がん細胞の増殖を抑制するMEK阻害剤

MEK阻害剤トラメチニブは、JTと京都府立医科大学 酒井敏行教授が共同で見出した薬剤。細胞増殖シグナル伝達経路ERK MAPキナーゼ経路(Raf-MEK-ERK)に存在するリン酸化酵素MEKを阻害し、がん細胞の増殖を抑制する。
2006年の前臨床試験段階でGSK社へ全世界への独占的開発権・商業科権をJTより導出、その後もGSK社が開発を継続している。
2012年に「BRAF V600遺伝子変異要請の切除不能あるいは転移性のメラノーマ」を適応症として、GSK社が同経口薬の新薬承認を申請した。

悪性度の高いメラノーマに適応

悪性黒色腫メラノーマは皮膚がんの一種。皮膚の色素細胞メラノサイトががん化し、速い速度で周辺の皮膚組織に広がる。早期に診断されれば治癒可能だが、転移した場合には致死率・悪性度が最も高いがんである。日本人では年間推定1500〜2000人の発生率であるが。欧米では10万人に15〜20人と非常の多い。

今回対象となる「BRAF V600遺伝子変異陽性」とは、がん患者に多く見られる細胞内シグナル伝達と細胞増殖に関与するBRAF蛋白を作る遺伝子の変異。転移性メラノーマ患者の約50%にBRAF V600E及びV600Kに変異が認められる。FDA承認検査キットで陽性かを判断する。

GSK社より全世界へ

GSK社では、BRAF変異のある患者に対し、腫瘍退縮と病勢安定のエビデンスを得ている。今回の承認を受け、今後の新薬発売が待たれる。(長澤 直)

▼外部リンク

日本たばこ産業株式会社プレスリリース
http://www.jti.co.jp/investors/press_releases/

 

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