アスペルギルス症
アスペルギルス症とは、アスペルギルス属の真菌によって起こる化膿性壊死性あるいは肉芽腫性の感染症で、肺、気管支、胸腔、目、副鼻腔、外耳にみられるほか、敗血症になって全身に広がることもある。最も一般的な型はアレルギー性気管支肺アスペルギルス症、アスペルギルス腫、侵襲性アスペルギルス症である。
なかでも侵襲性アスペルギルス症は、血液悪性腫瘍患者の抗がん化学療法に伴う好中球減少時、臓器移植患者の免疫抑制薬投与時や、膠原病患者の大量長期の副腎皮質ステロイド薬投与時などに発症する急性呼吸器感染症である。
(画像はウィキメディアより)
希少疾病医薬品指定
アステラスは、バシリアと共同開発中のアゾール系抗真菌剤イサブコナゾールについて、米国食品医薬品局から、侵襲性アスペルギルス症の治療の適応症に関し、希少疾病用医薬品としての指定を受けた。
本剤は、本年後半に、2つの第III相試験の結果が判明する。1つの試験は、アスペルギルス又は他の糸状真菌による侵襲性の真菌感染症に対する一次治療として、ボリコナゾール(1日2回投与)を対照とした試験で、イサブコナゾール(1日1回投与)の安全性及び有効性を評価する。もう1つの試験は、まれな真菌による生命を脅かす侵襲性の真菌感染症患者及び腎障害を有する侵襲性アスペルギルス症患者を対象とする非盲検試験である。
また、侵襲性カンジダ血症を対象に、イサブコナゾール(注射剤及び経口剤)の投与とカスポファンギン(注射剤)の投与後、ボリコナゾール(経口剤)の投与を比較する第III相試験も予定しており、患者の組入れを2014年まで継続する。(堤朝子)
▼外部リンク
アステラス ニュースリリース 2013年5月28日
http://www.astellas.com/jp/