日本薬剤師会は23日、保険調剤の動向「2012年度調剤分(全保険・速報値)」を発表した。12年度の受付処方箋枚数は対前年比で1・6ポイント、調剤点数(料)が1・7ポイント、調剤件数が3・0ポイントの増となった。処方箋の受取率(分業率)は66・1%で前年度より1ポイント増にとどまり、この2~3年は伸び悩み、頭打ち状態になりつつある。日薬では「順調に推移している」としながらも、これまでは長期処方と高額薬剤へのシフトにより、枚数の低い伸びに比べ調剤点数が高めだったが、今回伸びが鈍化したことに関し「正式な分析は行っていない、今後対応したい」とした。
受付処方箋枚数は7億5887万5552枚、調剤点数(料)は6兆3057億6653万円、調剤件数は5億8124万1213件だった。これまで処方箋枚数の伸びは非常に低かったのに対し、点数はそれよりも高い伸び率を示していたが、12年度に関しては処方箋枚数同様の低い伸びにとどまった。
都道府県別の分業率を見ると、「70%以上」が16県(前年13県)と3割が70%台を超えた。「60~70%未満」は16県(18県)、「50~60%未満」10県(10県)、「40~50%未満」4県(5県)、「40%未満」1県(1県)となり、高い分業率の県がより分業が進んだ一方で、“後進県”では伸び悩むという2極化の様相を呈している。
宮城、秋田両県の分業率が低下した。宮城が76・6%から76・4%、秋田が83・0%から82・7%となった。この理由について、宮城は東日本大震災に絡む特別措置の期限が切れた影響、秋田に関しては特に大きな原因は見当たらないが、他県と比べ母数が大きくないこともあり、少しの変化が数値に表れやすいのではないかとしている。