精神科病院で肺結核患者
松見病院は5月21日に、2010年5月から今年の5月までの3年間に入院患者のうち10人が、肺結核を発症したということを公表した。血液検査を行ったが、入院患者の46人と職員6人が感染していることも確認されている。また感染者には保菌者も含まれている。
松見病院で肺結核を初めて発症したのは、60歳代男性の入院患者である。患者は精神的な問題からで症状を伝えにくい状態であったほか、マスクを着用していることが多かったことから、症状が分かりにくかった。そのため病院側としては保健所へ届出を行い、同室の患者や職員の胸部X線検査などの接触者健診を実施したが、発病者はいなかった。
しかし1年後、別の入院患者が肺結核を発症した。さらにその後3人の患者が次々に発症した。検査の結果、3人の結核菌の遺伝子型が一致していることがわかった。
(Wikiメディアより引用)
肺結核患者数が拡大
また昨年の2012年11月には、6人目が出たため、同じ病棟の入院患者や、職員に対してインターフェロンγ遊離試験を実施したが、感染者2人が確認された。今年に入ってからも、新たに患者3人が結核を発症している。そのためもう一度試験を行ったところ、感染者は50人以上であった。しかし以前からの保菌者も含まれているため、院内感染による感染者の数は不明である。
これまでの発症者のうち、4人は結核の治療を終了している。その他3人が治療のため他院で入院、そして2人は松見病院で治療中である。また1人は他疾患で死亡した。現在、感染者には治療を行わず、定期的に検査を実施し経過観察を行なっている。
松見病院では2013年3月から患者の受け入れを中止しており、院内感染対策チームが巡回や健康観察を強化している。(福田絵美子)
▼外部リンク
公益財団法人結核予防会 結核研究所
http://www.jata.or.jp
医療法人 十字会 松見病院
http://www.matsumi.or.jp/