乳がん、子宮がん予防のため切除
アメリカの女優、アンジェリーナ・ジョリーさんが乳がん予防のための切除を受けたことで話題になっている。乳がんも他のがんと同様、その要因には、環境要因と遺伝要因の両方があり、母親や姉妹が乳がんになった場合は、そうでない一般のケースと比べて2~4倍乳がんになるリスクが高いと言われている。乳がんのうち5~10%は、強い遺伝要因が影響して発症していると推測されている。このリスクを軽減させるために行うのが、今回アンジェリーナ・ジョリーさんの行った手術である。
(画像はウィキメディアより)
日本でも認知されはじめている
未発症者に対する予防を目的とした乳房の切除・再建手術について、聖路加国際病院が院内の倫理委員会で承認を受けていると発表した。承認自体は2011年7月に遺伝性乳がん・卵巣がんに関して獲得済みで、これまでに実施した例もあるとのことである。手術は遺伝性乳がんに関する遺伝子「BRCA1」か「BRCA2」に変異が見つかった患者が対象で、医師、看護師、認定遺伝カウンセラーが協働してカウンセリングを行い、患者の意思決定の支援をしていく。
現在のところ、本手術は予防にあたるため、医療保険の適用外となっていることに留意が必要である。しかしながら、国内では80以上の医療施設で遺伝子検査を受けられる体制となっている。これまでは発症してからの治療であったが、今後は発症しないようにする医療も注目されるであろう。(堤朝子)
▼外部リンク
聖路加国際病院 ニュースリリース2013年5月20日
http://www.luke.or.jp/home/pdf/.pdf