同剤は、単球、マクロファージや滑膜細胞による炎症サイトカイン(TNFα、IL‐1β、IL‐6、IL‐8、MCP‐1)の産生や、B細胞による免疫グロブリン(IgG、IgM)産生を抑制することにより、抗リウマチ作用を示すもので、2012年9月12日の販売開始から今月17日までの間に、2660人の患者に投与されたと推定されている。
これまで、ワルファリンとの相互作用が疑われる出血または血液凝固能検査値の異常変動(PT‐INR増加)が9例報告されており、このうち、1例の死亡を含め3例の重篤例が報告されている。専門家の評価により、ワルファリンとの相互作用の可能性が否定できないとされた症例は6例(うち重篤例3例)だった。
厚労省によると、死亡例は関節リウマチや心房細動、間質性肺疾患、慢性気管支炎、不眠症、うつ病、骨粗鬆症、腎機能障害を合併していた70代の女性。6年前からワルファリンが投与されていた。
投与41日目に肺胞出血が発現し、呼吸困難感に陥ったため、42日目に自己判断で投与を中止したものの、13日後に死亡。ほかにも、ワルファリンとの併用で皮下出血や結膜出血などが認められた症例が報告されている。
ブルーレターでは安全確保のため、▽現在ワルファリンを併用している患者については、ケアラム錠/コルベット錠の服用中止を検討する▽ワルファリンの治療を必要とする患者には、ケアラム錠/コルベット錠を投与しない――の2点を注意喚起している。
同剤の添付文書には、発売当初から、ワルファリン併用による抗凝固作用増強(出血リスク)について記載しており、同年12月には、両剤併用例での重篤な出血例が報告され、製造販売業者から「併用時の注意のお願い」を配布し、注意喚起を行ってきた。
しかし、今年5月に関連性の否定できない肺出血による死亡例が報告されたため、「使用上の注意」の改訂を指示することとなった。