肝細胞癌
肝臓を構成している細胞からできる癌を、「肝癌」または「肝臓癌」と呼び、2種類の細胞、肝臓の大部分を占める「肝細胞」と肝臓で作られた胆汁を十二指腸へ運ぶ胆管の細胞「胆管細胞」にできる「肝細胞癌」と「胆管細胞癌」に分けられる。
肝細胞癌は胆管細胞癌よりも圧倒的に多い。肝細胞癌は他臓器の癌と異なり、基礎疾患として慢性肝炎や肝硬変のあることが多く、長期に肝細胞の破壊・再生を繰り返すことにより肝癌発病の大きな原因と推定されている。
(画像はウィキメディアより)
バイエルの第3相試験
バイエルは、ソラフェニブ(日本製品名「ネクサバール(R)錠」)による治療後に病勢進行が認められた肝細胞癌患者を対象に、レゴラフェニブ(同「スチバーガ(R)錠」)の有効性と安全性を評価する国際共同第3相試験の患者登録を開始した。レゴラフェニブは、経口マルチキナーゼ 阻害剤である。
本試験は、 ソラフェニブによる治療後に病勢進行が認められた肝細胞癌患者を対象とする無作為化、二重盲検、プラゼボ 対照、多施設共同第3相試験で、約530例が参加し、レゴラフェニブとベスト・サポーティブ・ケアの併用群、または、プラセボとベスト・サポーティブ・ケアの併用群に、2対1の 割合で無作為に割り付けられる。
患者に、ベスト・サポーティブ・ケアのもとレゴラフェニブ160mg、またはプラセボを1日1回3週間投与した後、1週間休薬期間を設ける。本試験の主要評価項目は全生存期間で、副次的評価項目は無増悪期間、無増悪生存期間、奏効率、病勢コントロール率である。両群の安全性と忍容性も継続的にモニタリングする。(堤朝子)
▼外部リンク
バイエル ニュースリリース2013年5月15日
http://byl.bayer.co.jp/html/