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ケンコーコム、ネット販売、副作用リスク防止が論点―後藤社長「店頭販売で不十分な活動を展開」

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2013年05月08日 AM09:57

厚生労働省の「一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会」に医薬品ネット販売業者の立場で参加するケンコーコムの後藤玄利社長は、本紙のインタビューに応じ、医薬品ネット販売の議論について、「1%でも2%でもネット販売を必要とする人がいれば、その手段を検討すべき。ネット販売で仮に副作用リスクが高まるとすれば、それをどのように防ぐかが論点になるべき」との考えを強調した。その上で、薬剤師が患者と関係を築くかかりつけ薬局を理想としながら、ドラッグストアでは本来の情報提供が行われなくなったと指摘。「店頭販売で十分にできていない活動をインターネット技術を活用してしっかり取り組みたい」と述べた。

後藤氏は、一般薬のネット販売禁止の動きに対し、「ネット販売で懸念事項があれば、ネット側で解決策を出し、それでも不足する部分は販売できないということは分かる。禁止する理由が仮にあったとしても、より穏やかな形で規制できないかという二段構えで考えるべき。今は、この二段目に至る前の一段目のところで、既に禁止する理由はない」と主張した。

さらに「ネット購入で医薬品副作用リスクが高まるという何らかの事実があるのかといえば、今のところない。そうであれば禁止することは、そもそもできないはず。仮に対面がベターで、ネットはベターではないから禁止するという理屈は、規制の論理としては成り立たない」とした。

また、厚労省の検討会について「一歩ずつ前に進んでいるが、全般的に進みが遅い感は否めない」と指摘。「最高裁判決を踏まえると、医薬品ネット販売は原則的に可能で、そのためのルール作りということが議論の土台であることは明らかだが、検討会の趣旨、コンセンサスが得られないまま進んでいる」と印象を語った。その上で、「対面がいいのか、ネットがいいのかというような極めて本質とは離れたところの議論にもっていっているところが、非常にもどかしいところ。消費者目線が欠けていることが大きな問題だ」と指摘した。

店頭販売とネット販売の比較については、「薬剤師が患者としっかりとした関係を築き、健康状態を把握しながら、対話により副作用リスクの低い形で効果のある医薬品を提供していく、かかりつけ薬局は理想的な概念で、あるべき姿」とし、その対面販売方法では、患部を直接見たり、臭いを嗅ぐことなど、現行のネット技術では解消できない部分もあることを認めた。

一方、8割の消費者が一般薬を購入するドラッグストア店頭については、同社の調査などでも本来の情報提供が行われていないことを指摘。「今のドラッグストアの店頭の現状と比べれば、はるかに安全な環境を(ネット販売では)提供できると考えている」との考えを示した。

ケンコーコムで展開する医薬品ネット販売では「店頭販売で十分にできていない活動をインターネット技術を活用して、しっかり取り組みたい。医薬品の情報提供を行うために、ネットを活用することは安全性を高める上でも非常に有効」との認識を示した。1月の最高裁の判決以降に再開したネット販売による医薬品の売上高は、現在1日平均500万円で、再開前の5倍に増加している。

医薬品ネット販売の全面解禁については、「医薬品を全く、自由に何でも販売できるようにしようということではなく、薬剤師(専門家)が医薬品をネットを介して販売する際に守るべきルールを最終的に決めていくことが重要」とし、安全性を担保するためのルールはしっかり作る必要があり、最低限満たすべきハードルは、法令などできっちり規制すべきとの考えを示した。

 

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