全世界で1500億円のドライアイ市場
株式会社アールテック・ウエノは、ドライアイの治療薬として開発を進めていた遺伝子組み換え人血清アルブミン点眼液(以下、RU-101点眼液)を米国食品医薬品局(FDA)にIND(Investigational New Drug)申請し、承認された。4月26日、同社プレスリリースにより発表された。
眼科専門医である同社の眞島行彦代表取締役社長は、IND申請承認について、
「オフィスワーカーの3人に1人がドライアイであるといわれ、ターゲットとするドライアイの市場は全世界で1500億円ともいわれており増加傾向にある。ドライアイの中でも医療ニーズが高いにもかかわらず有効な治療薬がないアンメット・メディカル・ニーズである、中等度以上のドライアイ治療薬としての開発を先行して進めていく。」
と述べた。(プレスリリースより引用)
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米国で第1相・第2相臨床試験を開始
今回のIND申請承認により、米国で第1相・第2相臨床試験を開始することが可能となる。臨床試験は2つのステージから構成され、まず、ステージ1では、重症ドライアイ患者を対象に、どこまでRU-101点眼液の濃度を挙げられるかを確認。
次に、ステージ1で安全性が確認された最高濃度のRU-101点眼液を12週間点眼する。両ステージとも、被験者をプラセボ対照群と治療群とに分け、安全性と有効性を評価。
RU-101について
ドライアイは、涙液層や眼表面の障害を特徴とする慢性で多因性の眼疾患であり、「目がゴロゴロする」、「光がまぶしい」、「目の痛み」などの症状がみられる。
RU-101は血清中の成分であるアルブミンに着目し、結膜上皮細胞を用いた実験において、血清アルブミンが、涙液成分の一つであるムチンの産生を増強することを確認した。
アールテック・ウエノは、アルブミンによるドライアイ治療に関する知的財産権も所有している。(太田みほ)
▼外部リンク
アールテック・ウエノのプレスリリース(PDF)
http://www.rtechueno.com/investor/press/130426_pr.pdf