厚生労働省医薬食品局審査管理課の赤川治郎課長は24日、都内で講演し、現在、検討中の薬事法改正案を5月中に国会に提出する考えを示した。これまで厚労省は法案の提出時期について、「今国会への提出を目指し、検討を進める」としていたが、具体的な提出時期を明言したのは初めて。
赤川氏は、今月に安倍晋三首相から今国会中に薬事法改正案を提出するよう指示があったことを踏まえ、5月中に法案を提出する考えを明らかにした。
検討中の改正案では、製薬企業が最新の知見に基づいて作成した添付文書を届け出制度にすることや、再生医療製品の実用化に対応した承認制度(条件・期限つき承認)の導入などを盛り込む予定。
また、医療機器の規制条項を分離することや、後発医療機器のような新規性の低い医療機器について、民間による認証範囲を拡大することなどを検討している。
2月に政府が公表した、今通常国会への提出を予定している内閣提出法案などをまとめた一覧によると、薬事法改正案をはじめ、再生医療新法案など7法案に関しては、優先度が低い「提出予定以外の検討中のもの」として位置づけられていた。
再生医療新法案では、再生医療・細胞治療のリスクに応じて医療機関側に厚労大臣の承認を求めることや、細胞の培養・加工を民間業者に外部委託できるようにするなどの新たな仕組み導入に向けた新法の制定も進めている。
再生医療をめぐっては、迅速で安全な研究開発や普及を国の責務とすることを明記した、議員立法による基本法が衆院を通過している。
医療機器は、自民党が研究開発を促進する新法をまとめ、既に党内手続きを終了しており、与野党の協力を得て、議員立法として今国会に提出する動きがある。