iPS細胞を筋肉細胞に分化
京都大学iPS細胞研究所はiPS細胞から三好型筋ジストロフィーの筋肉細胞を作る手法を開発、病態の再現、状態改善にも成功した。
研究グループは筋肉細胞に分化させる働きがある遺伝子MyoD1をiPS細胞に導入して、筋肉細胞へ分化させる技術を開発した。これまでの試薬では約4割しか分化しなかったが、この遺伝子では提供者、作製法がちがうiPS細胞株の全てが70~90%の高効率で分化した。
三好型筋ジストロフィーを再現
また同グループは三好型筋ジストロフィーの患者の皮膚細胞からiPS細胞を作製して筋肉細胞の一種、骨格筋細胞に変えることに成功した。三好型筋ジストロフィーの患者は国内に約200人、20代から歩行困難の症状が出る。
筋ジストロフィーは骨格筋細胞が壊れやすくなって発症するが、作製した骨格筋細胞も同じように壊れやすくなったことから病態が再現したとしている。さらに、細胞膜の修復ができない特有の病態が再現し、原因遺伝子ジスフェリンを強制的に働かせたところ病態が改善したという。
研究グループの櫻井英俊講師は
三好型以外の筋ジストロフィーの筋肉細胞を作製して病態の改善に有効な化合物をさがしていきたい(京都新聞より)
と語った。
▼外部リンク
京都大学プレスリリース
http://www.kyoto-u.ac.jp/