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口ができるまでを解明―口唇裂・口蓋裂の予防・治療に迫る

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2013年04月25日 PM08:13

口の難病、・口蓋裂

大阪大学の研究グループが口蓋の正常な完成に関わる細胞接着因子CEACAM1を発見した。

口唇の一部に裂け目ができる口唇裂と口蓋が閉鎖しない口蓋裂は口の難病とされる。遺伝的要因と環境的要因で発症するが、国内でも600人に1人の割合で生じる。同グループは口蓋が完成するメカニズムを解明することで発症の予防法の確立を目指した。

口と顔の中心部は胎生期に左右の突起が顔の真ん中のラインで接着、癒合して形成される。マウスの口蓋が完成する前後に口蓋突起に発現する遺伝子のデータベースを作成したところ、強く発現する細胞接着因子CEACAM1を発見した。CEACAM1の発現を抑制すると口蓋の癒着が阻害され、遺伝子を欠如させると口蓋癒合が遅れることがわかった。さらにTGFbeta(Transforming growth factor beta)という増殖因子がCEACAM1の発現を調節し、口や顔面の形成における口蓋突起の初期接着に重要な働きをしていることを突きとめた。

細胞接着の重要性

今回の研究は口や顔ができるメカニズムを細胞接着に注目して追究したものだ。細胞接着は発生、がんの浸潤・転移、免疫、再生などのさまざまな生物学的現象において重要な働きをする。

細胞接着の破綻によって口腔・顎顔面形成に支障が生じた。それが口唇裂・口蓋裂の発症、言語・摂食・嚥下など口腔・顔面領域の機能障害の原因となっている。今後、口や顔の発生時期での細胞接着の重要性が認識されて、口唇裂・口蓋裂などの形成異常を予防、治療する研究を進展すると期待される。(馬野鈴草)

▼外部リンク

大阪大学プレスリリース
http://www.osaka-u.ac.jp/

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